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2011年05月13日

【バックナンバー】2011年5月7日発行 通巻 たぶん405号

文芸同人「主婦と創作」2011年5月7日発行 通巻 たぶん405号
┏テ┃キ┃ス┃ト┃系┃創┃作┃メ┃ー┃ル┃マ┃ガ┃ジ┃ン┃━━━━☆
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┃   文芸同人 主婦と創作                   ┃
┃             2011年 5月 7日発行 通巻 たぶん405号 ┃
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵
 初めましてのかたは、初めまして。
 そうでない方は、お待たせいたしました。発行人の銀凰です。

◆風天マンさまからのお知らせです!
「実録国際線乗務員の飛行(非行)日誌」でおなじみの風天マンさまが
この度出版なさることになりました。

以下、風天マンさまからのコメントです
∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵¨∵
5月15日に地元の西日本新聞社から私の初めての著書
「熱血パーサー乗務録」が出版されます。

著書の付録に、私が作詞作曲した乗務員の応援歌”FLY TO FLY”が
視聴できるページもあります。


直接私にFAX(0942-65-7717)していただくと、お名前と私の署名をして
送付させていただきます。

是非ご購入をお願い申し上げます。
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本の詳細は風天マン様のサイト「田中塾(http://kn24.dyndns.org/~you/)」
でご覧になれます。
また、「主婦と創作」のWebサイトから、「熱血パーサー乗務録」のチラシ
(PDFファイル)がダウンロードできますので、よろしければご覧下さい。
ダウンロードページはこちら↓
         http://jhnet.maxs.ne.jp/petit/mm/jyoumuroku.html

以上、今週のお知らせでした!

★各作品の感想、及び各作者への励まし、声援のメッセージ・雑談などは
 Web拍手
http://ohimesamaclub.chat-jp.com/petit/tobimasu/dcnt.cgi?n=7
 または掲示板↓でお気軽に
http://www.alphapolis.co.jp/each_bbs.php?bbs_id=2408

 皆様からの一言が書き手の「糧」となります。
 なにとぞ一言お寄せいただけますよう、よろしくお願いいたします。

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◇本日の目次…
 ◆連載……銭澤時計店  140文字でイソップ その25
 ◆連載……風天マン  実録国際線乗務員の飛行(非行)日誌 102
          特別寄稿◆保安要員としての危機管理能力について
 ◆連載……高野聖  歴史小説 「〜紫の夜語り〜万葉集裏話〜」 9
 ◆連載……神光寺かをり  小懸  ―真田源三郎の休日― 12
@━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━@
★文芸同人「主婦と創作」ではあなたの作品のご投稿をお待ちしています。
投稿は専用メールフォームで(http://mm.9no1.gozaru.jp/mmagazine.html
作品投稿に際しては投稿規約(http://mm.9no1.gozaru.jp/03.html)必読です。
○相互リンクメルマガ・サイト募集中↓お問い合わせはこちらのフォームで↓
        http://mm.9no1.gozaru.jp/mmagazine.html
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◇連載  140文字でイソップ              作:銭澤時計店
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キツネとライオン。

獅子が捕らわれ檻の中。
狐は檻に近付くと、獅子の爪牙の届かぬ場所で、
有らん限りの罵詈雑言、口を極めて罵った。
獅子は狐をじっと見て
「小利口者よ、余を罵っているのは其方ではないぞ。
 余の身に起きた災難が、其方の口を借りておるのだ。
 よくよく心に留めて置けよ」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
twitterので1回につぶやける文字制限140字に収まるように抄訳した
イソップ寓話をお届けするシリーズです。

このシリーズは「銭澤時計店」のtwitter(http://twitter.com/zenisawa)で
不定期に連載されています。
バックナンバーはこちら:http://www.zenisawa-tokeiten.bzue.com/special/
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◇連載  実録国際線乗務員の飛行(非行)日誌       作:風天マン
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☆☆ 実録! 国際線チーフパーサーの飛行(非行?)記録 ☆☆     
                                   
  「エッ、ウソ、ホント?」笑いと感動、痛快、恐怖の裏側を覗いてみる?
  
  航空会社志望の学生、外国事情やスッチーに興味あるヒト、飛行機を利用
  するヒトは必読!
 国際線2万時間のハチャメチャ乗務員が仕掛けた、笑いと涙、恐怖と珍事
  の打ち上げ花火。  

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VOL.102 ◆スチュワーデスをカモにした結婚詐欺師 その2

帰国した彼は頃合(1、2週間後)を見て、ターゲットにしたスチュワーデス
に電話をする。

「仕事で今東京にいる。 夕方取引先との約束が先方が来日出来なくなって、
時間を持て余しているので、夕食を一緒に付き合ってもらえると嬉しいんだが・・・
実はもうホテルのレストランを予約してしまったんで・・・先日言ってた、
君の好きなフランス料理だけど、少し強引だったかな?」
と誘い出す。

彼は交通の便の良い品川の某ホテルを常時この舞台として利用していたのである。

レストランやフロント、バーのボーイとは顔馴染みで、彼等もいわば彼の犯罪
の援助をさせられていたことになる。
実は、警察の捜査でこのホテルでフロアー・マネージャーの私の知人は、かな
りしつこく彼との関係を追及されて迷惑をこうむったと話していました。

最上階のレストランでフランス料理を食べながら、言葉巧みに彼女の結婚願望
を掻き立てる会話と、女性の母性本能をくすぐる会話をちりばめ、デザートの
頃になると

「実は君にチョットしたプレゼントを買ってきたんだけど・・・アレッおかし
いな?」
とポケットを探す素振りをする。
「アッ、部屋のバッグに入れたままだったんだ。チョット部屋までついて来て
くれるかな? たいしたモノじゃないけど、君にピッタリの指輪があったので・・・」

これで当の彼女はレストランのボーイ達の彼に対する特別対応もあり、すっか
り信用して
「そんな、指輪なんて戴く筋合いは・・・」と言いつつも、その魅力に負けて
彼の部屋にお供してしまい、上野のバッタ屋あたりで買った2、3千円のルビー、
サファイヤ(勿論ただのガラスだが素人には判別しずらい)を提供され、
有頂天になって、そのまま彼の腕の中となってしまったのです。

制服を着ていれば、やはりスチュワーデスとしての見識やプライドが維持出来
るのですが、私服でプライベイトな時間帯はそれらが希薄になるのが
スチュワーデスといえども一般的な女性のサガかもしれません。

ここですっかり、彼の犯罪への布石は完了したのです。
彼は後で結婚詐欺で訴えられることを懸念して、彼女がすっかり眠りこけてい
るあられもない姿をシッカリと写真に収めていたのです。

これがために、多数のスチュワーデスが被害者となっても「会社に写真を送り
つけるぞ!」と逆に脅されて泣き寝入りするケースが大半だった訳です。

次に実際にお金を手に入れる方法についてです。
彼は当の彼女とそんな関係を2,3回続け、彼女が成田空港の事務所に乗務
(最低4日間のパターン)の為に出社した頃を見計らって、事務所に電話を入れ
「申し訳ないが、急遽今からニューヨークに飛ぶのに、会社にキャッシュカー
ドを忘れてしまった。すまないがチョット君のキャッシュカードを貸してくれ
ないか?」
と依頼するのです。

「でも、私のカードは一回に30万が限度なんですが・・・」

「OK、ファーストの片道は60万なので、幸い40万は現金が財布にあるの
で、今はとりあえず君のカードで20万を借りることになるが・・・向こうに
行けば何とでもなるので」

「分かりました。どこに届ければいいのですか?」

「JALのFカウンターにいる」

そこで、彼女はけなげにも持っていたドルと現金と大事なカードを彼に届けた
のです。

1回のキャッシュの引き出し限度額は確かに30万ですが、スチュワーデスの
場合一般的に最高200万迄の引き出しが出来ます。

更に、いわゆる当時のヤミ金業者に持ち込めば更に300万迄は融資してくれ
たのです。
彼は彼女が手渡した一枚のカードで何と合計500万を搾取したのです。

当初の投資額(ホノルル便のファーストクラス往復運賃60万、ホノルルでの
食事代、日本でのホテルでの諸経費)を差し引いても確実に400万の利益を
入手出来たことになります。

1ヵ月後、カード会社とヤミ金融からの請求書を見た彼女の驚愕はいかばかりか・・・


結婚詐欺にひっかかったスチュワーデスの1人が私の配下でした。
たまたま、郷里も同じだったこともあり、困惑した彼女から相談を受けたのでした。

彼女のプライバシーに関わることなので、関係者から詐欺師の男性に関する客
観的な事実を最初の出会いであるホノルル便の機内の様子と、滞在ホテルでの
状況、また当時のホノルル支店長もよく知っていたこともあり、事情聴取を始
めました。

1ヵ月後、私は知人の弁護士と旧知の警察幹部(以前にも登場した警視正)に
相談したのです。
また、カード会社の役員(某料亭のおかみとのつながりで)に依頼して、とり
あえず彼女の返済を延期してもらい、彼女に被害届けを出してもらって、警察
も結婚詐欺事件として本格的に捜査することになったのです。

彼女と同乗したチーフパーサーや、スチュワーデスの事情聴取の過程で、他に
も犠牲者がいるということが判明したのです。

そこで、いっせいに職場でのこの事件に関する事情聴取が密かに開始されたの
です。
ところが、直接の被害者の場合は、自分の恥になることもあって、なかなか本
当のことを話してくれるスチュワーデスがいなかったのです。

1日も早くこの詐欺師の男を逮捕しないとスチュワーデスの仲間に被害者が続
出することになる点を何度も説いて話を聞きだそうとするのですが、裁判に
なった場合、証言をすることは拒否するのでした。

なかには、その男に搾取されたお金の請求を求めたスチュワーデスもいたので
すが、例の「写真を会社に送りつけるぞ!」と逆に脅されて泣き寝入りをした
スチュワーデスもいたのです。

当時としてはトンデモナイ結婚詐欺事件でした。
この事件はJALという会社の対面を傷つけるということで会社はマスコミに
リークしないようにあらゆる手段を講じたのは言うまでもありません。

その後の警察の調べで判明しただけでも、家宅捜査で26枚のカード(20枚
がスチュワーデス)が見つかり、捜査員は本当にビックリしたそうです。

何と1億数千万の被害総額だったとのことです。
更に、悲しいことに被害者のスチュワーデスのうち2人はあろうことか、彼の
子供を身ごもっていたのでした。


後日談になりますが、この事件は社内でも誰が発信源かは分かりませんが、
噂が広まり、その為に大半の犠牲になったスチュワーデスは退職しています。

私の配下のスチュワーデスの場合は、両親からカード会社への支払いをしても
らって退職しました。

彼が搭乗した時の乗務員はほぼ全員が事情聴取を受け、その時のチーフパー
サーのなかの数名は監督責任を問われ、戒告処分を受けたとのことです。
いずれにしても実になんとも後味の悪い事件でした。
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風天マンの私塾(田中塾)のブログ
http://kn24.dyndns.org/~you/
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◇特別寄稿◆保安要員としての危機管理能力について     作:風天マン
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◆保安要員としての危機管理能力について

客室乗務員の仕事は大別すると「サービス要員」と「保安要員」の2つです。

「サービス要員」に必要な「対人関係スキル、コミュニケーシヨン能力」は乗
務時間が多くなれば、次第に磨かれていくものです。

一方、「保安要員」としての「危機管理能力」は実際に、それに関連したケー
スに直面しない限り頭で習得は出来ても、体得までは行きつかないのが現実です。

そうは言っても、先ずは習得と模擬体験で少しでも「危機管理能力」を最低限、
身に着けておく必要があり、その手段として、乗務員資格を持つ全乗務員
(管理職も含めて)は毎年1回、必ず非常救難訓練を受講し、当日のテストを
パスしなければ乗務することが出来ないのです。

この他にも、安全に関わる定期教育、心肺蘇生法などの救急処置の訓練も年に
1回受講しなければなりません。

尚、毎年1回の非常救難訓練では、過去の飛行機事故の事例についての検証や、
事故を想定した事例を運航乗務員と客室乗務員が一緒のチームに分かれて、
その対応につき話すカリキュラムもあるのです。

この場合は、パーサー、チーフパーサーの上位職と機長のコミュニケーシヨン
が大事になります。

ハイジャック対応も設定されていて、操縦室に侵入されないことが前提条件な
ので、言い換えれば、
機内で発生した異常事態は、全て客室責任者が同乗メンバーに的確な指示をし
て対応することになるのです。

この点については既に、その一部は読者の皆様には”ハイジャック未遂事件”
で私の体験事例を紹介していますので、参考にしていただければ幸いです。

今回の東日本大震災と福島原発事故への対応で「危機管理」が注目されています。
事態の大きさでは比較になりませんが、基本的な危機管理の手法としては、
私の乗務体験が少しは皆様の日常生活のうえでヒントになるかもしれないので、
ここで紹介したいと思います。

私が、乗務時に「危機管理能力」として、常に留意していた点は次の5点でした。

(1)実態の把握:どんな事態が起こっているのかを客観的に把握する。

(2)原因の把握:それは何が原因によるものかを把握、検証する。

(3)予測:今後何が起こるか、危険性の高低度を予測する。

(4)対策:現時点で、実行可能な対応と処理策は何か、最善の選択肢はどれか。

(5)決断と実行:事態を悪化させない、解決するための迅速な決断と実行。

さらに、これらを留意するに当たり、”全ての結果責任は自分が取る!”
という心構えが不可欠だということだと思います。
平たく言うなら”いつでも腹をくくれる”でしょうか。

ちなみに、乗務員は、所属するグループごとに安全担当が決められており、
毎回のフライトに先立ち、安全に関わる事例を紹介したビデオを見て注意喚起
を促すことや、安全意識を啓蒙するなど、安全に関わる「保安要員」としての
取り組みを行っています。

次に、私が「危機管理に関する指示・命令」を出す場合に留意していた5点。

(1)最悪の状況を想定して、緊急且つ重要度に応じて躊躇せずに即刻出す。

(2)内容を必ず復唱させる。

(3)指示・命令を出しっぱなしにしない。
 指示・命令を下し、もしくは、これを伝達する場合には、必ずその遂行を
 見届けることで、はじめてその責任を果たしたといえる。

(4)指示・命令の遂行に時間がかかる場合には「中間報告」を必ず励行させる。

(5)指示・命令には時系列で通しナンバーを打ってメモする。
 備忘録として後日役に立つこともあるので。
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◆風天マンからのお知らせとお願いです!

5月15日に地元の西日本新聞社から私の初めての著書「熱血パーサー乗務録」
が出版されます。

著書の付録に、私が作詞作曲した乗務員の応援歌”FLY TO FLY”が視聴できる
ページもあります。


直接私にFAX(0942-65-7717)していただくと、お名前と私の署名をして送付
させていただきます。

是非ご購入をお願い申し上げます。

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◇一合、一升、一坪、ピンとくる?
              昔の単位 米一升 田んぼ一反 はどのくらい
学校で習う単位は、メートル法だけである。
広さは、m2(平方メートル)や、
a(アール)、ha(ヘクタール)であり、
重さは、g(グラム)やkg(キログラム)である。
容積はL(リットル)、
日常よく使う、お酒一合の合や、
100坪の土地の坪、加賀100万石の石、
などの単位は、学校では教えてくれない。
だから、多くの人は、これらの昔の単位を聞いて、
ピンと来るような来ないような、とても曖昧な反応しかできない。
しかたがないから、
今ここで、マスターして覚えてしまおう。

>>http://www.sugowaza.jp/r/YkdfOUVp.html
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◇連載  『歴史小説 「〜紫の夜語り〜万葉集裏話〜」』     高野聖
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 歴史小説 「〜紫の夜語り〜万葉集裏話〜」その九  高野聖
__________________________________ 

 造媛(みやつこひめ)はついに隠れ家を出て、中大兄皇子と結ばれた。
 古代飛鳥をめぐる、隠された悲劇の物語
__________________________________ 
 
 難波京への遷都の途中、飛鳥京では不吉な出来事がありました。
 人の減った宮殿に野猿が侵入して、鳴き騒いだそうでございます。
 猿が人里に現れるなど、飢饉の冬でもないかぎり、滅多にない珍事。
 人々はこれを「都が荒れる前兆だ」「野猿は伊勢の神の使いというではないか」
と噂し合って気味悪がり、命令に従おうとしませんでした。

 そんなわけで建物などは計画通り次々と完成していっても、遷都そのものは
遅々として進みませんでした。

 しかし中大兄皇子は、人の思惑などお構いなしに孝徳天皇を速やかに難波へと
遷御《せんぎょ》させ給い、ご自身も皇族方を連れてさっさと移ってしまいました。
 造営されたばかりの都はどこも木の香りも初々しく、海に近い立地もあって
陽光の明るさは、真新しい屋根瓦に反射して眩しいほどでございました。

 宮中の庭には各地から集めてきた奇岩を積んで築山を作り、貴重な梅やスモモ
の木を植えて、左大臣となった阿倍倉梯麻呂《あべのくらはしまろ》や、右大臣
倉山田の石川麻呂なども、率先して自らの屋敷を飾り立て、遷都の雰囲気を盛り
あげようとなさいました。
 ようやく世間も落ち着いてきて、庶民の市など立ち始めると、自然と人の
往来も増えて、小さいながらも難波は日に日に都らしくなってまいりました。

 けれど中大兄皇子は、今では難波の地に居心地の悪さを感じておりました
 本心を言えば、すぐにでも飛鳥に帰りたくてならなかったのです。
 一方、石川麻呂も、父の代から続いている山田寺建立を視察するために
たびたび一族を連れて飛鳥へ行きました。
 遠智媛もまた二人の姫君の手を引いて、蘇我氏の威信をかけて造営中の境内を
見て歩いたものでした。しかし滞在先は夫君・中大兄皇子の屋敷にではなく、
倉山田家の屋敷でした。皇子の屋敷には、造媛が暮らしていたからです。
 妻が夫が同じ家に住むのは、身分のある正妻だけに許された特権でございます。
 おりしも石川麻呂たちが山田寺を視察していた頃、造媛は皇子の屋敷で
無事男御子を出産なさいました。 
 名は「健王《たけるのみこ》」
 中大兄皇子の初めての男子。
 母親は、右大臣・石川麻呂の長女、造媛。
 未来の皇太子《ひつぎのみこ》と申し上げても過言ではございませぬ。
 境内でその話を聞かされた遠智媛は、挑発的に背筋を伸ばし、皇子の屋敷の
方角をキッとにらみ据えました。
 倉山田家に初の皇子が誕生したのに、一族に暗雲がさすとは、あまりに皮肉
な話ではありませんか。
 これが遠智媛の出産であれば、石川麻呂も狂喜して踊り出したでしょうに、
今は周囲の祝いの言葉を虚ろに聞き流しているだけでした。
 形式上の祝辞と貢ぎ物を送った後、倉山田家は口を閉ざしました。

 「健や、健」
 中大兄皇子が馴れぬ手つきで健王を抱き上げ揺すると、赤子は居心地が悪く
なってむずがり始めました。
 まだ生後半年しか経ていないというのに、手足もしっかりしていて、華奢な
造媛の腕の中では対照的に大きく見えるのでした。
 皇子は「男児まで生まれた以上、飛鳥の僻地に置いておくわけにはいかない」
と、難波に来るよう強く言うのですが、造媛はどうしても首を縦に振ろうとは
しませんでした。
「石川麻呂を恐れる必要などない。形式的とはいえ、この子は孫ではないか。
遠智媛への遠慮もいらぬ。あれはもう過去の女だ」
 造媛は穏やかに言葉をさえぎり、
「私は石川麻呂様を怨んでいるわけでもなければ、遠智媛を妬んでいるつもりも
ありません。この子は倉山田家全員に愛され、守られてもらいたいと思います。
 私は自分のわがままで、住み慣れた飛鳥に留まっていたいのです。健がもう少し
大きくなるまで待っていただけませんか」
 皇子は澄んだ瞳に見返され、言い返す言葉はありませんでした。
 
(To be continued)
__________________________________
よかったら、こちらのサイトも覗いてみてくださいね
「英国歴史散歩〜薔薇の王国〜」
 http://www.kingdom-rose.net/
フランス革命 サン・ジュスト
 http://www.kingdom-rose.net/france.html
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 または掲示板↓でお気軽に
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◇路上で聴いた感動話Vol.5

今回は、
「中学の同級生同士の間に起こった事件」
が一押しです♪

親友だった2人は、ある日大喧嘩します。
そして、ある日事件が起きました。
一体何が起きたのでしょうか?

等身大の感動エピソードを読みたいあなたへ。
これは、皆さんから集めた31の感動エピソードを元に作った
「感動エピソード集」です。

人生の様々な場面で「感動」は訪れます。
日々のちょっとした事から、人生の一大イベントまで。
あなたの心の琴線をくすぐるエピソードを用意しました。
ちなみにこれは、路上で「感動トレード」を行うために作ったものです。

「感動トレード」とは、私が駅前でやっている
『感動エピソードを話してくれたら感動本を無料であげる』
というイベントです。

勇気が欲しいとき。
背中を押して欲しいとき。
ちょっと凹んだとき。
寂しいとき。
なんだか悲しいとき。

そんな時に本レポートをお読みください。

>> http://www.sugowaza.jp/r/YkdfOURH.html
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◇連載小説  小懸  ―真田源三郎の休日― 10    作:神光寺かをり
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 ※この物語はフィクションです。
 ※従って、登場する人物・団体・地名などは、
  歴史上のそれらとは別物と思ってご覧下さいますよう、
  お願い申し上げます。
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「岩櫃というは、信濃か? それとも上野……関東か?」
 その問いかけに素直に、そして正確に答えるとするならば、
「岩櫃は上州であり、関東に御座候」
 と言えば事済みます。
 しかし、そのような当たり前の事を、仮にも関東管領・滝川一益様ご一門で
ある慶次郎殿がご存じないわけがありません。
 私は茶碗を抱えたまま、慶次郎殿が見ているのと反対側の天井の隅を見上げ
ました。
 岩櫃は関東の軍勢を信濃に入れぬ為の要害であり、信濃から関東へ討ち出る
ための最前線です。
 信濃の玄関口ではありますが、同時に上野の裏口でもあります。
「さて……。沼田の支城とみれば上野に属するといえましょうが、砥石の支城
とみれば信濃に属すると言えなくもありません」
「なんだ、はっきりせぬなぁ」
 慶次郎殿は視線を天井から私へお落しになると、落胆なされたような、それ
でいて妙に楽しげな口ぶりで仰いました。
 私も視線を天井から外して、
「そう仰せになられましても、私はあそこが信濃なのか上野なのかなどと、
改めて考えたことはありませんでしたので」
 私は正直に申しました。腹の内が妙にもやもやしておりました。
 慶次郎殿は太い眉毛を片側だけ持ち上げて、
「考えたことがない?」
 本心不思議そうにお訊ねになりました。
「あえて申しますと、真田の城、と」
 そう言った途端、私は自分がなんとも大胆なことを言っていると気づき、
驚きました。
「真田の城だと?」
 慶次郎殿は、私をギロリと睨まれました。眉間に縦皺が一本、深い谷を作っ
ていました。
「はい、我らの城です」
 私は慶次郎殿の眉間の皺の一番深い一点を見つめて申しました。そう言った
途端、腹の中のもやもやがすとんと霽れた気がしたものです。
 沼田も、岩櫃も、砥石も、小県の土地も、みな我らのもの。我らが手放して
はならぬもの。
 私は自分の言葉が自分自身のをたぎらせるのを感じました。
 同時に、自分の首根に薄ら寒いものを感じました。
 私の言い様は、聞き方に寄れば、
『真田は誰にも従属しない』
 といった意味にも取れるものです。
 武田にも、上杉にも、北条にも、そして織田にも従わず、自立し、己等の土
地を守る。
 そう宣言したととられても仕方のない言い振りでした。
 迂闊なことです。
 私は二心有りの胡乱物として、この場で前田慶次郎殿に討ち取られるかも知
れません。そして私の一族は、私のきょうだい達は、滝川様に攻められ、捕ら
えられ、殺されるかも知れません。
 父が苦心して、八方に手を打って、ようやっと織田様の旗下に収まることが
でき、どうにか所領を安堵出来たというのに、私の一言で総てが水泡に帰すこ
とになりかねない。
 大失言です。
 私の首根が寒くなったのは「失言」そのことそのものよりも、その後に起こ
りうる「悲劇」のためでした。
 しかし、私は確かに、自らの意思で、本心から、宣言したのです。
 私は肺腑の中に重く溜まっていたモノを総て吐き出し、手の内の茶碗と、
鮮やかな緑の液体をじっくりと見つめました。
 これらが、あるいはこの世で最後に見る「美しい物」であるかも知れません。
 抹茶の緑は、萌え出た春の木の芽のように、眩しく輝いておりました。
 寒い冬を乗り越えた、小県の、故郷の山が、茶碗の中にある。そんな気がい
たしました。
 茶碗の中で、緑色の泡がぷつりと弾けました。私は不意に、総ての泡が消え
てなくなる前に、それを飲まねばならないという気持ちになり、まるで酒か毒
杯でも煽るような勢いで、一息に、茶を飲み干しました。
「結構な、お手前で」
 私は空になった茶碗を置き、首を投げ出すようにして、深々頭を下げました。
 このときの私の心持ちと来たら、全く不思議な物でした。どうやらこの首っ
玉の上に、慶次郎殿が大脇差を振り下ろしてくれることを期待し、待ち望んで
いた、としか思えないのです。
 伏せた頭の上で、衣擦れの音がしました。慶次郎殿がお動きになった気配は
あります。
 しかし、私の首は何時までも私の胴体にしがみついたままでした。
 私がそっと頭を上げますと、
「全く、困った高慢ちきめが」
 慶次郎殿は両の手を突き上げて背伸びをしておられました。それから大きな
欠伸を一つして、
「朝駆けでもないのに早起きをするもンじゃないと、お主も思わぬか? 寝惚
けた友が言わんでも良い『寝言』を言うし、その『寝言』を聞かなかったこと
にせねばならなくなる」
 そう仰せになると、完爾として笑われました。
 どうやら私の命も、真田の家の命運も、この場で尽きるということは無く
なったようでした。
 私はすっかり安堵して、
「全く、その通りのようです」
 と苦笑うて頭を掻きました。
 すると慶次郎殿は、急に険しいお顔をなさって、
「だが、忘れぬぞ」
 酷く重い言葉でした。私は脾腹を撲たれたような心持ちになりました。
 己の顔の色が失せてゆくのが判りました。慶次郎殿は私の紙のように真っ白
な顔をじっとご覧になり、仰せになりました。
「聞かなかったのだから他の誰にも言うことはない。だが、儂の胸の内には刻
んでおく。お主がどれ程に故郷を愛して居るのか……。儂は忘れぬぞ」
 そう仰ると、前田慶次郎利益殿はすっくと立ち上がり、
「源三郎。その茶碗はな、儂が焼いた物だ。餞別だ。お前に遣るから、信濃へ
持って帰れ」
 また破顔されました。
                                 続く
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今週号はここまで。
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ほんの少しだけ、心がすぅーっと軽くなる言葉

あなたが、ほんの少しでも、明るくなれるように。

ほんの少しでも、ホッとするように。

そして、ほんの少しでも前向きになれるように。

『ほんの少しだけ、心がすぅーっと軽くなる言葉』

中学生の人でもスラスラ読めるような、“読みやすさ”を心がけました。

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posted by 主婦と創作発行人 at 15:33| 長野 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | メルマガのバックナンバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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